ちば里山・バイオマス協議会(ちば協)

ちば里山・バイオマス シンポジウム 報告

 ちば里山・バイオマス協議会は、4月3日(日)13時~16時、市原市五井会館において、『ちば里山・バイオマス シンポジウム ~さと・ひと・しごと 未来のストックから考える~』を開催しました。
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ちば里山・バイオマス シンポジウム

 シンポジウムは、千葉の里山再生、獣害対策、林業の担い手育成等をめざす「ちば里山・バイオマス協議会」(略称:ちば協)の設立を記念して開催されました。
 ちば協は、千葉県中央部で里山保全や木質バイオマス活用等の活動を行ってきた市民が集い、昨年12月8日に発足しました。住民と事業者が中心となった中間支援型の地域協働ネットワークです。

 あいにくの雨模様の天候でしたが、会場に、森林・竹林・バイオマス活用や里山再生を通じた地域活性化(地方創生)に関心を持つ160名を超える方々が集まり、千葉県の里山の持続可能性を考える基調講演と、森林・林業や有害獣対策の現状ついて知る事例紹介、参加者と一緒に千葉の里山の未来図を描くトークリレーを行いました。
 

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 最初に、ちば里山・バイオマス協議会共同代表の高澤真が、開会挨拶を行いました。ちば里山・バイオマス協議会は県内の里山再生やバイオマス事業化に役立つ広域ネットワークをめざしていること、千葉県内外の専門家がアドバイザーとして参加し、市民の方々の支援を受けて発足したこと、自分自身は市原市バイオマス利活用推進協議会のメンバーで活動してきたことなどの説明がありました。
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ちば里山・バイオマス シンポジウム

 来賓の小出譲治市原市長からご挨拶があり、「千葉県内外から多数が参加したシンポジウムで喜ばしい。高澤共同代表とは元々Facebook友達だった。市原市は環境教育に力を入れている。木質バイオマスは、地域分散型のエネルギーとしての役割があるが、広く薄く存在するため安定的な利活用への技術確立と仕組み作りが欠かせない。本協議会の活動を通して多くの皆様が協力し、里山の保全、地域のエネルギー施策をより良くしていくことを期待している」などのお話がありました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 続いて、鈴木朋美大多喜町副町長の来賓挨拶があり、「ちば里山・バイオマス協議会は大多喜町で行われた昨年11月の森林・竹林シンポジウムがきっかけだったと聞き喜ばしい。自分は子供時代を里山で育ち、田んぼ、山で遊んだことを想い出す。木はご飯を炊きお湯を沸かす燃料だった。いま、里山では人の手が行き届いていない場所も多く、有害獣の被害などで耕地が荒れ、結果として農業の後継者が育たずに里山がさらに荒廃していくという悪循環に陥っている。里山の環境を守っていくために地域の枠組みを越えて、広域的な協力関係を作り、有害獣対策、林業の育成などを行っていく必要がある」などのお話がありました。
 

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 第1部は、基調講演でした。千葉大学大学院人文社会科学研究科教授、ちば協アドバイザーの倉阪秀史氏より、「千葉の里山を持続可能な未来のストックに」のテーマで講演がありました。
 倉阪氏は、地方消滅の問題や人口減少・環境制約下の経済政策(幸せな生活を支えるストックの健全さ、持続可能性の確保)、地域ストックの現況の把握、千葉県の再生可能エネルギーの状況、未来シミュレーターの開発(25年後の地域ストックの課題に気づくため)、産業構造シミュレーター、人的資本シミュレーター(保育・教育、医療・介護)、森林シミュレーター、国と地方の経済政策の役割分担などについて詳しく説明され、最後に、荒れる山林=自然資本と社会資本の劣化と、良好な山林=育まれる自然資本と社会資本の2つのシナリオを提示されました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 倉阪氏の講演の概要を記します。
・人口減少は経済拡大ではない方向へ行く性質があり、2050年に日本は1億人を割り込む。第二次世界大戦で日本は230万人の戦死者があったが、2060年まで毎年80万人ずつ減少することが予想される。何より問題となるのはインフラが壊れることだ。
・地球の気温上昇を1.5度に抑えるために、化石燃料をエネルギーのために燃やすのは避けなければならない。原発に使われるウランも枯渇性の燃料だ。山に手が入らないことによって森が乱れ、さまざまな影響が出る。
・地方消滅の問題点として、人口の減少度合いや高齢化の進行は地方へ行くほど激しい。
・OPoSSuM(オポッサム、多世代参加型ストックマネジメント手法)のシミュレーションで、2030年まで1.7%成長するとGDPが3割増えるなどの結果が出ている。いまの生活が持続できるように、ストックの考えが重要。
・未来はどうなるか?について、未来ワークショップを行った。再エネ生産量について「永続地帯」の10年の研究成果を毎日新聞に掲載した。2012年から2015年で、太陽光発電は5.5倍に増え、バイオマス発電は44%増えた。
・市原市は、人口が多い都市の中では森林比率が高い。県内の自治体との共同研究の成果を「未来カルテ」として発表予定だ。
・産業構造シミュレーターは、2000年、2005年、2010年の国勢調査による産業構造データを参照したが、2040年に15%人口減となり就業者数は更に減る。農業人口は日本全体では半減する。
・人的資本シミュレーターでは、子供の数が減り、医療・介護分野では入院患者全体が減り、2020~2030年の医療・介護は逼迫する。要介護の人数が増え続ける。
・森林シミュレーターは、全国の森林計画区159を対象に、持続可能な森林は樹齢に応じた維持管理と伐採の日本全国の平均を取った。17齢級(81年生)で皆伐し、年毎のバラツキを均すことにした。林業従事者は、シミュレーション上では60万人だが、実際には現在7万人で、75万円の年収だ。今後は、間伐材がチップになることを含めていきたい。用材価格も。森林計画図は、千葉県南部・北部の2つに分かれる。林家の収入は170万円位で、これではやって行けない。
・地方創生の切り札に再生可能エネルギーがあり、新しい産業を創り出せる。いままで化石燃料代でお金が海外に出ていたが、地域のバイオマス資源を利用して域内にお金が循環するようにする。
・人口資本、自然資本、人的資本、社会関係資本の4つの資本が、経済活動を支えるストックとなる。これらのストックのメンテナンスによって、内需を支える必要がある。
・成長部門と持続部門を峻別し、モノも過剰なモノはシェアするようにする。地域の環境資源や過剰に保有されているストックを上手に活用していくべきで、これは地方から進めるのが良い。
 倉阪秀史氏のプレゼン資料 (PDF)ダウンロード
 
 第2部は、事例紹介として、千葉県の森林・林業と里山の現状について、お2人の講師による講演がありました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 最初に、Bioフォレステーション株式会社代表、ちば協アドバイザーの近藤亮介氏より、「千葉の森林・林業のいま」のテーマで、次のお話がありました。
・湯河原町の面積の15%を占める森林を所有し、伐採・搬出している。神奈川県の森林環境税に相当する水源税は、1人当たり800円で約39億円の財源になっている。神奈川県には、人工林を自然林に戻すという明確な政策がある。
・千葉県内でも施業を始めたが、県の森林環境税や伐採補助金が無いので、採算は厳しい。
・皆様に知っておいてほしいが、千葉県の年間伐採量6.5万立米のうち1万立米が林業で伐られ、5.5万立米は開発のために皆伐されている。
・日本のCO2削減対策の大部分を森林が担っている。輸入材の増加とともに我が国の林業は衰退した。木材価格は大きく下落した。森林資源は増え続けている。間伐材を利用する発電には高い単価が設定された。
・木をバイオマスエネルギーとして利用できるようになり、林業にとってチャンスは拡がったが、FIT(固定価格買取制度)がある20年間で溝腐れ病に冒された県内の木を全部伐らないといけない。間伐しても林地に残したりせず、バイオマス燃料として木を使い切るなど、林業の構造改革を進める必要がある。
 近藤亮介氏のプレゼン資料 (PDF)ダウンロード
 

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 続いて、千葉県農林総合研究センター暖地園芸研究所生産環境研究室の植松清次氏により、「里山が危ない! 田畑を荒らすけものたち」のテーマで、お話がありました。講演の概要を記します。
・千葉県の有害獣による農作物被害は年間で2億8千万円に上っており、7割がイノシシで圧倒的に多い。イノシシ対策にはセンサーカメラを使ったりワナを増やしたりしている。水稲被害は多く、一晩でやられる。ビワ果実などは掘り起こし被害を受ける。
・千葉には緑の回廊(動物種の移動が可能)として、森林15.8万平米がある。イノシシの子育て環境は、どんぐり林(マテバシイ材)1,300ha、たけのこ林6,000haなど豊かだ。イノシシの寝屋は、ススキ・ヨシの木が生える低山地帯であり、山と耕作地の間の耕作放棄地だ。
・農作物被害の発生要因として、葉、根っこなど田んぼには美味しいモノがあるため、谷津田での被害が大きい。それが個体数の増加へつながる。イノシシのせいで耕作放棄したくなる状況となっている。
・被害を防ぐため、圃場と林地の間の管理が必要。バッファーゾーンを設け、餌場を排除する。しっかりした防御柵の設置、下草刈り、低木除去、イノシシの好まない作物を栽培するなど。牛、ヤギの放牧も有効。
・鋸南町では7割が電気柵を利用している。電気柵は草に触れると漏電してしまうことがあり、草刈管理の良・不良で効果が変わってしまう。メンテナンスを考えると見える所に設置する形が良い。
・ハンター(猟師)の絶滅が危惧されており、千葉県北部にイノシシ被害が増えている。現在は南部が中心だが、対策を取らないでいると県北まで生息域が拡大する。
・では対策はどうしたらよいか? 捕獲と防護が中心となるが、イノシシ肉をジビエ料理に利用することで、資源の活用になる。鋸南町では狩猟エコツアーを実施している。人気があり昨年は5回も行った。都市と農村の交流エコツアーとして期待できる。
・地域の人たちが頑張っているが、疲れ果ててきている。技術的支援と心の支援が必要だ。
 

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 第3部は、わいわいトークリレーでした。県内の里山活動関係者、林業関係者、千葉県・市原市などの自治体職員、バイオマス専門家、一般参加者など多数の方々が、「ちば里山の未来図は?」のテーマで、発表、提案、意見交換を行いました。
 モデレーターは、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)主席研究員、ちば協共同代表の松原弘直が務めました。主題を「里山保全」、「獣害対策」、「森林・林業」、「バイオマス利活用」の4つに分けて、リレートークを進めました。

里山保全
 わいわいトークリレーの最初のテーマは「里山保全」を取り上げました。人々の生活における里山の意味を振り返り、荒廃の現状と整備・保全の活動の取り組みなどについて、専門家、研究者、NPO理事長、行政職員、議員の方々によるお話と意見交換がありました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 まず、NPO法人ちば里山センター理事長の金親博榮(かねおやひろし)氏から、千葉県の里山保全の課題と同法人が果たす役割などについてお話がありました。
 金親氏の説明の概要です。
・ちば里山センターは、平成16年9月に千葉県里山条例の具体化をめざして設立された団体。中間支援組織であり、2年前にNPO化した。現在、県内の約100団体が加盟している。
・里山条例は、県民が自主的に、里山活動団体、里山所有者等と協働して、里山の保全、整備や活用を進め、生活価値を向上することを目的としている。
・里山団体の現状は、資金難、人材不足、高齢化という継続するための3つの課題を抱えている。
・千葉の森林の9割は私有林という特徴がある。自分も森林組合員であり、組合員数600人の千葉市森林組合長をしている。
・この間、森林での売り上げは無く、林業で暮らしている人もない。
・組織には継続と信頼が重要。協議会は、発足当初でさまざまなことをやる形態となっていて力の入れ方の要点は掴めていないが、応援したいと思っている。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 次に、明治学院大学教授の大木昌氏から、「今日はたくさんの森林情報をいただいたが、違う側面から里山を考えてみたい。森林セラピーなど医療の現場としての里山、文化財としての里山、子供達が遊ぶ里山、呼吸法を学ぶこともできる。里山には多様な側面があり、環境問題からも、発想を変えてみることが必要」などのお話がありました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 長南町のNPO法人竹もりの里の鹿嶋與一氏から、次のお話がありました。
・6年前にNPOを立上げ、耕作放棄地や放置された竹林の整備活動を行っている。竹をただ伐るだけでなく、その活用を図っている。
・千葉県の竹資源は日本有数。竹林面積は7,000haある。イノシシ被害も目立つ。現在、10haの竹林を管理して、月1回、都会から来る人達とも一緒に活動している。最近は横浜・埼玉からも竹林整備の要望が来ている。
・竹炭・竹粉は農業用へ活用できる。炭化器を使って大量の炭を作り、土壌改良材として販売している。竹1tを炭にするとCO2を3t削減できる。
・ただ、ボランティアとしての限界も感じている。事業化を図るなど、持続可能な竹林整備の活動をめざそうと思う。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 市原市環境部環境管理課地球温暖化対策係の石橋和隆氏は、「市原市でも竹資源の活用を図っている。平成23年9月に破砕機を導入し(重さ1tある)、団体向けに貸出している(運搬費と燃料費は団体負担)。竹チップは希望者に無料配布している。一般市民の目で、成果が出ることを期待している。竹は北海道を除く全国で問題化しているが、『宝の山』とするよう取り組んでいきたい」などとお話されました。 

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 市原市議会議員の保坂好則氏からは、「里山活動への応援や観光資源としてのあり方を考えたい。地域には豊かな自然があり、地方創生の観点からも里山活動を捉えたい。トロッコ列車を走らせている小湊鐵道や、いすみ鉄道とも協力し、広域連携の取り組みもこれからは必要と考えている」などのお話がありました。

獣害対策
 2番目のテーマは、県内各地域でクローズアップされてきた有害獣への対策についてでした。質問に対しては、千葉県暖地園芸研究所の植松清次氏にお答えいただきました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 県内で林業を営む一般参加者から、次の質問がありました。
・ヒノキ、スギを植林した後にシカの食害にあっている。先ほどのデータではシカによる農業被害が少ないように見えるが、表に出てきてないだけではないか? イノシシがカヤの木だけを狙うのはなぜか、根に美味しい物質があるからか? 森相、植生によって被害が変わるのか?

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 植松氏の回答です。
・(イノシシ専門なので、シカはまた別の機会に)森林崩壊で森相が変わる。丹沢の例では、相模湾の魚に川を通して被害があった。イノシシはヒルを運ぶ。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 君津市のきみつ里山活動ネットワークの尾形孝和氏は、次のように話されました。
・君津市内で里山整備を行っている団体・グループが集まって2年前にネットワークを作ったが、ネットワークとしての活動はまだ途に就いたばかり。
・里山は荒れている。自然の豊かさや里山の癒し効果を求めて、週末は都会からの観光客が増えているが、月曜から金曜は過疎地である。
・君津では鳥獣の被害が大きく、30~40の活動団体がある。市役所も専門部署を設け、食肉解体所を民間に委託している。行政と連携して取り組んでいるが、できることをやり続けていくことが重要と思っている。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 大多喜町の一般社団法人efco.jpの佐藤建吉氏からは、「昨年efco(エフコ=エコ・フューチャーセンター)を作った、鳥獣対策も活動の1つとして行っている。エコ・フューチャーセッションとして、グルーピングやKJ法を実践している。地元の方々と連携して、イノシシ対策の事業化を図っている。案件の絞込みを行っているところだ」などのお話があり、植松氏へ、「イノシシ対策として、音や光を使うことは効果的か?」などの質問をされました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 植松氏の回答です。
・イノシシは警戒心が強いが、光、音、匂いなどに1週間も経つと慣れてしまう。気が弱い動物のため、最初は効果があると思う。

森林・林業
 3番目に、千葉県の森林・林業をどのように復活・再生させていくか、めざす方向性について、意見交換がされました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 千葉県農林水産部森林課森林政策室の澤口晶子氏は、次の説明をされました。
・千葉県の森林・林業の問題点や成り立たない理由は、現場で働く人が少ないことだ。林業の安定と安全には担い手対策が必要。
・丸太の価格が安い理由は、千葉県では開発材(林地開発により産出される材)が多くて丸太の価格を引き下げてしまうから。
・他県のような水源税・環境税が無いが、県民の世論が盛り上がるまで導入は難しいと考える。
・平成28年度税制改革大綱による「森林環境税」(仮称、市町村による継続的・安定的な森林整備の財源に充てる税制)の創設案では、市町村が森林・林業の担い手となっているが、県内の市町村の林業担当者は大半が兼務で専任がいない状況であり、現実的には難しい問題があると考えられる。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 千葉県議会議員(いちはら市民ネットワーク)の山本友子氏は、次のお話をされました。
・行政の立場では言えないことを議員の立場で言っていきたい。
・林地開発は、森林法の中で「保全」という考え方でやっている。千葉の森林の溝腐れ病は8割位に及び、これは皆伐しないとダメ。
・先ごろ、林業活性化議員連盟で栃木県のトーセンという年商80億円の製材所を視察した。千葉県の森林は栃木県の6割あり、林業の可能性は大きい。
・平成28年度県予算では、地方創生の加速化予算(新規、6,400万円)があり、木質バイオマスを新しい産業として育てたいと思う。大多喜町や市原市でも取り組んでもらいたい。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 株式会社つくば林業の松浦晃氏から、「いま相模原市の8.5haの森林で間伐の施業をしている。千葉と異なり、傾斜30度での作業もある。林業は素材生産に50~100年かかるが、夢のある仕事で、里山的な場が好きなのでやっている。伐採した木の2割は素材(A材)となり、如何に高く売るかを努力している。地元の石岡市で、CO2カーボンオフセット事業をしている。1万円/tで売り、全体で100t売った。諦めないことが大事と思っている」などのお話がありました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 Bioフォレステーションの近藤氏は、「千葉県の関係者は問題点の共有ができている。山の所有は細分され、山主が誰か分からない森林が大変多い。施業は森林組合が中心だが、自伐型林業もある。当社は、昨年10月から3,000平米の林地で伐採を行っている。千葉県の山を整備するために、県内にある木質バイオマス発電所の市原グリーン電力を上手く使ったら良いと考える」などのお話をされました。

バイオマス利活用
4番目のテーマとして、地域のバイオマス資源をどう活用していくかについて、リレートークが続けられました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 副理事長、ちば里山・バイオマス協議会アドバイザーの竹林征雄氏から、バイオマス資源の利活用について、次のお話がありました。
・木質バイオマスのエネルギー利用として熱電併給(コジェネ)がある。バイオマスは、カーボンフリーで、特にペレットは使い勝手が良く、電気、温水、熱に利用できる。木材は若い石炭とも考えられる。
・日本の国土の67%は森林に覆われている。日本は2,500万立米の伐採をしているが、ドイツは3,500万立米を伐採している。独は日本の半分の森林面積なのにである。
・製材も林業も、日本では産業になっていない現状がある。エネルギー利用して、タンコロ(根っこ)も枝葉もすべて使い切る必要がある。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 NPO法人K-BETSの米谷栄二氏は、「第二の人生で、10年前から、バイオマスをエネルギーにする関係の諸活動をしている。日本の森林資源はなぜ山から出て来ないのだろうと不思議に思い、簡単に木を出せる方法としてチェーン方式の搬出法=Kシステムを開発した。千葉県では森林の価値が認められていないと感じている」などとお話しされました。

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 株式会社カタログハウス ソロー事業部の千葉慶一氏は、次の報告をされました。
・当社は、ペレット工場(石岡市)でペレットを作り、ペレットを販売している。
・2014年にパレットストーブの販売を開始した。
・2015年9月から、千葉県の間伐材でペレット生産を行っている。
・集材が大変だ。ヒノキの山であり、3.4haで40立米を搬出している。
・千葉県では(安い木材価格にしかならず)8,000円/立米だが、他県では16,000円/立米という事例もある。
・例えば、神奈川県では、里山保全に森林インストラクターを養成しスペシャリスト化している。
・事務仕事ばかりしているが、時には森林へ行き、チェーンソーを持ち、自分たちで木を伐り出して来る。とても楽しい。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 株式会社光と風の研究所の堀内道夫氏は、「竹は地球を救う。竹はさまざまに活用でき、市原市には行政の支援でビジネス化を期待したい。大多喜町のふるさと納税は15億円あり、竹製品をパッケージにした返礼品を考えたい」などとお話しされました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 市原市の日笙(にっしょう)株式会社の大澤敏行氏は、「蔵元として竹から焼酎を造った。竹の豊富な市原市、千葉県の特産品にしたいと思っている」と、発言されました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 最後に、千葉大学の倉阪氏のまとめがあり、里山やバイオマスを活用してビジネス・産業を立ち上げる具体的なアイデアとして、
 (1) 森林環境税
 (2) 手を入れられない森は国に返すべき
 (3) 森林インストラクターの活用
 (4) カーボンオフセットとふるさと納税の組合せ
の4つを挙げられました。

ちば里山・バイオマス シンポジウム

 松原共同代表が閉会の挨拶を述べ、シンポジウムは終了しました。
 参加者からの感想やアンケートは、次回に報告いたします。
 
■問合せ・連絡先
 ちば里山・バイオマス協議会(ちば協)
  〒290-0056 千葉県市原市五井2437-2 3F
  E-mail:mail@chibakyo.net

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